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第8章の16
「これかな? 」
と、諒が喜んで取り上げたそれは純白の、フリフリのレースがついたエプロンだった。
「でもやっぱ、俺には小さいよ。」
「ええっ? これくらいの丈なら裸エプロン大丈夫だよ。」
「試しにやってみたらどうです? こっちには妖精の麻也さん宛てもありますよ。」
須藤の冷ややかな声に、2人は我を取り戻した…
疲れてしまった2人は、結局須藤のおやつのチョコを分けてもらい、
プレゼント類は預けたまま、部屋に戻った。
「じゃあ、今度こそシャンパンだ♪ 」
麻也が冷蔵庫からボトルを取り出し…ソファの上で2人でフルートグラスを掲げると、
「諒の、ペリドットの瞳に乾杯♪ 」
「麻也さんの、星の瞳に乾杯♪ 」
とグラスを合わせる。ダークチョコを口に含む。
諒の気を引き立たせようとも思って麻也は、
「何回も初夜があって嬉しいな…って、初夜と思ってるの、俺だけ? 」
「麻也さん、初夜は嬉しいけど、その小首かしげるの反則! 」
言われたので、麻也は思い切りまた小首をかしげてやった。
諒は照れてしまって、
「やだ、もー、麻也さんの大きな瞳に吸い込まれそう。」
「ええーっ、諒の方が目が大きいじゃん。目力もあってさ…
俺、最初から、そのメヂカラにホレてたのかもしれない…」
シャンパンの勢いもあってか、麻也はうっとりと告白してしまう。
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