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第8章の19

 …そして… 「…あ…諒…初夜なんだからっ…」 「…ん…? 初夜だから、なあに…?… 」 自分の両脚の間に、ちろっ、と見える諒の舌に麻也はそそられてしまう… 両脚を押さえ込まれている感覚も嬉しくて… 「…んぁっ…もっと…」 「…欲しいの…? 」 恥ずかしくて、首を横に振ってみせたいのだが、それができず、つい本音が… 「…だけど…優しく、して…」 「ムリ! 」 「あぁん、諒、そんな…」 「…恨むなら、自分の魅力を恨んでっ! 」 そして諒の唇と舌は、意外にも、麻也の左腿を這い降りていき… 爪先を愛撫し始める。 「あ…はぁ…ん…ん…んっ!…」 まだ慣れない愛撫に感じてしまい、思わず麻也はのけぞってしまう… その初々しさが嬉しいと言って、諒は最近これを仕掛けてくる。 2人が今、身に着けているものは、例のペンダントとお揃いのリングだけだ。 それがただの裸身よりもちょっとみだらに、でも美しく諒の体を見せていて、 麻也は照れてしまって、また目をそらす。 「麻也さん、どうしたの? 」 「あ…」 「ほんとのこと言わないと、お仕置きだよ…」 と言って、諒は麻也の中心をわざと乱暴に握りしめる。 麻也は声をあげてしまう。 「ほら、麻也さん、これでも…? 」 「く…諒が、諒のカラダが、ペンダントのせいで、エッチだから…」 「…そそる?…」   うん、と首を縦に振るのが精いっぱいだった。 すると諒は、それが愛しいと言ってまた覆いかぶさってくると、耳元で囁いてくる。 「麻也さんは、本当に、天使で王子で、堕天使だね…」 俺しか知らない麻也さんの姿があるのが嬉しい…耳へのキスで、 麻也は不覚にも昇天しそうになってしまった…

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