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第8章の26
今、曲を作っている3枚目のアルバムのことで頭がいっぱいなのに、
取材もラジオも、「武道館と4枚目のシングル」の話で、
かなりリズム隊のコメントに助けられた。
その2日後に、ようやく二人は3枚目のアルバムの曲をプロデューサーの木内のところに持ち込み、
OKをもらった。
それからバンドでアレンジ…肉付けの作業を行ったが、
その最中に、麻也の曲が次のシングルのA面、諒の曲がB面と決まった。
…が、しかし…
レコーディングのリハーサルが始まるころには、
さすがの2人ももうバテバテだった。
目覚ましが鳴っても、諒もだらだらしている。
そのうち麻也は、
「あれ、俺、何で全裸で寝てるんだろう…? 」
ゆうべはバタンキューで、そんなことはしていないはず…
すると諒はけだるそうに、
「ゆうべ言ったよん。全裸健康法って…」
「そ、そうだっけ…」
「人間は全裸で寝た方が、スタイルにも体にもいいって…」
「ごめん。覚えてなかった。」
すると諒はペロッと舌を出し、
「ですからワタクシ、脱がせて差し上げました♪ 」
「なんだー!! そういうことー!! 」
「麻也さんはムクれた顔もホントに可愛い♪ 」
「なんだよー! 何かヘンなこともしたんじゃないのー!? 」
「してないよ。麻也さん寝てたし。全裸健康法も本当だよ。」
「もー俺シャワー浴びてくる…って、全裸じゃんよ…」
仕方がないので、手近にあった諒のシャツを羽織って、バスルームへと走った。
麻也さん可愛い~♪の声が後ろからまとわりついてくる…
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