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第8章の40

諒はまたしっかり腕に力を込めると、 「今日は一日、ごめんね。俺、麻也さんがどんだけ怒っただろうと思うと、 怖くなっちゃって、1人で帰ってきちゃったの…」 「もう、諒ったら、可愛いなあ…」 「許してくれる? 」 「こちらこそ…っていうか、もう俺を寂しくさせないなら…でも…」 麻也は嫌なことを思い出してしまった。 でもこういうことは諒の機嫌のいいうちに訊いておくに限る。 「なあに? 」 「例の、つきまとわれそうな女優さん、て大丈夫なの? 」 「え? 知ってたの? 」 自分の顏を見てくる諒の表情は、驚きこそあれ、後ろめたいことはなさそうだった。 「うん。今日の帰りに、真樹が、俺に心配かけないようにって教えてくれたんだ。」 「なーんだ。大丈夫だよ。お話にもならないし、 余計な心配かけたくなかったから黙ってたんだ。」 やっぱり諒はモテるね、と言おうとして、麻也はあわててその言葉をのみ込んだ。 すると、 「麻也さん、いつも通り一緒にベッドで寝ようよ。」 「うん♪ 」 諒に手をとられ、麻也も立ち上がった… 「諒、もう時間遅いのに…」 口ではそう言いながらも、麻也は諒の唇から逃れることができなかった。 服はもうとっくに脱がされている。 「大丈夫、俺、早いから。麻也さんが可愛い顏してくれたらすぐ、 って、…あっ…いやん…」 麻也はさらにとろんとした表情で諒を見上げ… 「あ゛~っ!!! それ反則ぅ…麻也さーん…あーっ! 」 「ふふっ…あれっ? あ、あん、あーん りょお…」 …2人で、お互いの中心を濡らしあう… 気持ちの良さに、心まで満たされて涙が出る…  でも…

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