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第8章の41

「明日は恭一さんに初めて会うからね。早く寝なきゃ。」    と、あれからすぐ寝たにもかかわらず、疲れているにも関わらず、諒は何だか寝付けないようだった。    同じように寝付けない麻也は心配になったが、そのうちあることに気づいて真っ青になった。 (諒が恭一に会いたいのは、俺の過去を知りたいから…? ) まさか、とは思いたい。 諒は、自分への愛情から、自分の交友関係を知りたいだけなのだ… (それに恭一が、2人の暗黒時代をそんなに語りたがるとは思えないし、 ましてやあの出来事なんか…) とはいうものの、他のメンバーが悪気なく、何か尋ねたら…というのも不安になる…    …と、変な時間に少し眠りに落ちていたのだろう。また目覚ましにたたき起こされる。 が、珍しく、諒が目覚めない。 「諒、起きて! 時間だよっ! 」 えっ? と諒が目を覚ます。せめてキスはする。あわててバスルームに2人は走る…  ちょっと顔のコンディションは良くないが、 ツアーのパンフレット用の写真なのでアップは多く、 麻也と諒は、メークやライトなんかでかなりごまかしてもらった…  そんなわけで、撮影の終了は少し遅れ、撮影が終わった真樹が、 恭一の待つ居酒屋へとひと足早く走ってくれた。

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