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第8章の44

「諒は? これからどうするの? 」 「ん? いい歌詞思いついたから。ちょっとだけ書いたらすぐ来るよ。 眠ってていいよ。」 と言って、諒はベッドルームを出て行った。 その後ろ姿に嘘があるとは思えなかったが、 部屋で恭一に、電話で例のことを尋ねていたらどうしようとやっぱり心配になる。 諒はなかなか戻ってこなかったが、 麻也は頭が冴えてしまって、眠ることなどできなかった。 「なーんだ、寝てて良かったのに…」  戻ってきた諒の様子はいつもと変わりなかった。 やっぱり嘘ではなかったらしい。  でも、諒もベッドに入ってきたが、明かりを消してもなかなか寝付けないようだった。 それは麻也も同じだったが、お互い、その理由はなぜか尋ねなかった。 (この章終わり)

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