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第9章の4
その後は、二次会、三次会とあったが、怪しい女の子たちは、
「ウチのギタリストのジジイが異常に女好きなもので、
お姉さんたちに失礼があってはあいすみませんから」
という諒の言葉を受けて、一次会で帰されていた。
「ギタリストのジジイ、って誰のことだよっ!」
「ジジイ、って、まあ、ちょっと、諒の言葉とは思えない…おい、真樹、どうするよ…」
麻也は怒り、いつもは冷静な直人はうろたえ…
そして、禁酒中の諒は、疲れたと言って鈴木と二次会で帰って行った…
麻也には一言もなく。一瞥もくれず。
麻也はやっぱり困ってしまったが、
何となくやけになってしまって真樹と離れないようにしながらも、
結構飲んでしまった。
ホテルに戻って、麻也はよっぽど諒の部屋のチャイムを鳴らそうかとも思ったが、
寝ていたらかわいそうだと思い、やめた。
真樹と2人、部屋に入ると、真樹は、
「いやー、マジでダブルかよ…」
「想像とかしないでね。」
「したくないよ。」
と言いながらも、仕方なく2人でベッドに入る。
「こんなの幼稚園以来だね…って、兄貴、せめて諒にメール入れといたら?
帰ってきたよ、とか。
俺も恵理ちゃんにメールするけどさ。」
「うーん、でも、何て書いたら…」
「シンプルに、早く帰っちゃって寂しかった、とか。」
「そっか、そうする…」
送信っ、とボタンを押した。
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