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第9章の18
ホテルの部屋に戻ると…
明日は移動前に取材があるので、のんびりもしていられない。
麻也は諒に手早く服を脱がされると、見守られながらシャワーを浴び、
ありがたくもくすぐったくも、ロックスターの素手で体を洗ってもらい、
白いバスローブを着せられて、ドレッサーの前に座らせられる。
時間がある時は2人がかりで、麻也の長くふわふわした美しい黒髪を乾かすのだが、
今夜はちょっと時間がない。
しらふなので危なくもなく、諒が普通に一人でシャワーを浴びている間に、
ふらふらしながらも麻也はドライヤーをかけた。
こんなこともあろうかと、諒はツアー直前に髪を切り、
今は「ジギー・スターダスト」の頃のデビッド・ボウイくらいの長さの金髪にしている。
そんなわけで、諒はバスルームから出てもすぐに髪を乾かしてしまい、
白のバスローブ姿でベッドの横に突っ立ったまま、
おとなしくベッドの中で、ヘッドボードにもたれて休んでいた麻也の飲んでいた、
ミネラルウォーターのボトルに手を伸ばしてきた。
諒はかなり喉が渇いているらしく、ちょっと表情が険しくなっていたが、
それも麻也しか知らない美しさをたたえていると、麻也は思った。
だから、ちょっとイジワルして、
「飲みたいの? 」
と、顏を見上げてみた…のがいけなかった…諒の顏はにやりと笑い…
「うん。」
乱暴にボトルを奪って飲んだ諒は…
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