345 / 1053

第9章の23

 シャワーを浴び、ベッドに入る時になって、諒は思い詰めたように、 「やっぱり明日、実家に行ってくるわ。」 「うん、行っておいでよ。」 「でもその間、麻也さんはどうしてるの? 」 「留守番してるよ。」 「何か心配だなあ…」 「何が? 」 どうやら、また何か浮気的なものを疑っているらしい。 でも、今夜は、いつものように「浮気予防」っぽいメイクラブはしてほしくはない気分だ。 「大丈夫だよ。俺だって留守番くらいできるよ。」 「そうぉ? 」 そう言いながら降ってくる、軽いキスだけは唇で受けたが、 伸びてきた手は優しく押し戻した。 「麻也さん…? 」 「明日起きられなかったら困るでしょ? 俺ももう眠いし。さ、早く寝よう。」 そう言って、麻也は毛布をめくりあげると、さっさと横になってしまった。 諒はまだ何か言いたそうだったが、押し黙ってしまうと、麻也の横に体を横たえてきた。、 そして麻也の体を優しく抱き寄せ、額にキスしてくれた。 「じゃあ、おやすみなさい。」

ともだちにシェアしよう!