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第9章の24
そう言って諒は部屋の電気を消したが、
2人とも何だかもぞもぞしてしまって寝付けない。
「…麻也さん、俺が出かける時、寝てていいからね。」
「ううん、お見送りしたい…」
「いえ、起こすの大変だからいいです。」
「わかった…」
会話が途切れると、諒は寝てしまったようだったが、麻也はまだ眠れなかった。
やっぱり…諒の事情を日ごろは忘れていることもあるが、
現実にそれは存在しているわけで…
まだ諒が、完全に前の妻と切れている事だけは本当に助かっていると思う。
これで「子供のことでいついつ会うんだ…」なんてのがあったら、
とても耐えられないと思う。
に、しても、子供のことにひっかかりを感じるのは我ながら大人げないと思う…
が、そう思ってしまうのは仕方ないわけで…
でも、これって、ただの嫉妬かも…
何だ、俺は諒の愛情を独占したいだけなのか…
あ、だったら、諒に清らかな夜なんかプレゼントしないで、今夜も乱れまくれば良かった…
ううん、いつかは、諒の子供を抱き締めたいよ。
大翔くん、ほんとに諒に似てたら、メロメロになっちゃうよ、絶対…
がばっ、と毛布をいきなりまくり上げられ、
諒の、それじゃあ行ってくるからね、の言葉と、キスが降ってきて、麻也の眠りは破られた。
が、どうにか毛布から右手を出して、いってらっしゃいと手を振った…
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