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第9章の25
諒が出て行って…
どのくらい経ったのか…
麻也が目覚めると、もう正午をまわっていた。
着替えてリビングまでやってくると、外は快晴!
諒がいないのはかなり寂しいが、でもそれをいいことに、
麻也はベランダでビールを楽しむことにした。
さすがに起き抜けでビールだけだと体に悪いかと、
大好きなクリームチーズをかじることにした。
ガーデン用の白い椅子に腰かけ、グラスに冷えたビールを注ぐ。
お気に入りの白のコットンシャツをめくりあげる4月のさわやかな風と、
マンションの5階に響いてくる、都会のほど良い喧騒の中、
麻也はビールをひと口飲んだ。
美味い…やっぱり休みの日の昼間のビールはいい…
これはやっぱり諒がいたらできなかった…
でも、チーズとくれば本当はワインかも…
でも、諒が帰ってくるまでには、酒を抜いておかないと…
あと、撮影も多いから、日焼けしないようにしなくっちゃ…
結局、麻也はビールを一本だけ飲むと、ワインは少しだけ、リビングで楽しむことにした。
諒と飲むわけではないので、普段使いの白を、少しだけ。
そして、また、日ごろの疲れから、ソファの上でうとうと…
気がついたのは夕方で、諒からのメールの着信音のおかげだった。
―ごめんなさい。帰りは9時過ぎちゃうかも。
気にしないでゆっくりしてきて、と返信したところで、
さすがにお腹が空いてきたので、
いつもは諒まかせの買い出しに出かけることにした。
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