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第9章の30
「でもまた明日は初日みたいなもんだからさ、
中に入るのは<えんりょ>したの。」
「もう、諒ったら…」
麻也は吹き出したが、初日という言葉には、身の引き締まる思いがする。
「でもまずはもう一回シャワーだっ! 」
二人でシャワーを浴びながら、
「また明日は初めての場所だね。」
と、麻也が何とはなしに言うと、諒は苦笑いして、
「そう言われると、何だかプレッシャーにのまれそう。
…って、なんで、麻也さん、そんなりりしい表情を…」
ちょっと諒が心配になってしまった麻也は、
わざとに諒から目を離さず、ちょっとハードな表情を気取ってみたのだ…
「プレッシャーよけのまじない、してやろっか? 」
「お兄ちゃん、お願いしましゅ♪ 」
ひとりっ子の諒は麻也のお兄ちゃんな顏も好きだっだので、
喜んで麻也にしがみついてきた。
麻也は柔らかな唇を、諒の唇に押し付ける。諒はうっとりと…
「麻也さん…こんなに好きだ…」
また素肌のまましばし抱き合ってしまう。
お互い体を揺らし合う。
いつまでも離れられない。
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