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第9章の40

 呼び止められた柴田も笑顔だったが、 「まずはツアーの成功、おめでとう。 まずは今夜は大いに楽しませてもらいますよ。」 と言うが、あの失敗ライブも取材していただけに、色々と言いたいことはあるのだろう。 だから2人も笑みを作り、 「じゃあ、詳しいことはインタビューの時ということで…」 「はい。よろしく…これからも大変だと思うけど、頑張って…」 やっぱり最後は言われてしまった。 でも、詳しい指摘も確かに気になるが、今夜くらいは勝利の美酒に酔いしれたい。  二次会ともなると、なじみの顏の割合の方が多くなり、メンバーにも楽しい酒になる。  この日はみんなの疲労も考えてか、それとも曲作りが控えていることもあってか、 三次会は設定されていなかった。  前回の武道館の三次会を覚えているスタッフは麻也を誘ってきたが、 あの時と違って今度は諒がいてくれるから…  曲作りを口実に、麻也は諒と同じハイヤーで家路についた。  みんなに見送られて、きらきらする夜の街の中、車が走り出すと、 麻也はものすごい幸福感に襲われた…

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