366 / 1053
第9章の44
そして諒に少しだけ上体を持ち上げられ…いっそうの快感に麻也はハマり…
「…あっ…ああっ…諒…愛してるっ…」
「…俺も…麻也さんのことがっ…」
自分でも飛沫を飛ばしながら、体の奥に諒のものが脈打つのを感じて、
麻也は、快感に気を失いそうになる…
ずるり、と諒が出ていき、諒のほとばしらせたものが流れ出るのも、とても気持ちがいい…
麻也はシーツの上に、打ち上げられたように全身を投げ出していたが、
「…麻也さん、大丈夫?…」
「…うん…何か、すごく満たされちゃって…」
「そっかー、良かったあ…」
そう言って、嬉しそうに諒は抱き締めてくれて、額にキスしてくれた。
2人はしばらく、無言のまま抱き合っていたが、
ちょっと切ない気持ちで、麻也は言った。
「最高の、夜だね。」
「麻也さんも、そう思ってる? 」
「うん。」
とは言ったものの、本当は少し違う考えも忍び寄ってきてはいるのだが…
ミュージシャンの、悲しい性<さが>。
さて、明日からはどうやって戦いますか…?
諒がシャワーを浴びに行った間、
麻也は情事の後のベッドの中で、もう考え込んでしまっていた。
ともだちにシェアしよう!

