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第9章の44

そして諒に少しだけ上体を持ち上げられ…いっそうの快感に麻也はハマり… 「…あっ…ああっ…諒…愛してるっ…」 「…俺も…麻也さんのことがっ…」 自分でも飛沫を飛ばしながら、体の奥に諒のものが脈打つのを感じて、 麻也は、快感に気を失いそうになる… ずるり、と諒が出ていき、諒のほとばしらせたものが流れ出るのも、とても気持ちがいい… 麻也はシーツの上に、打ち上げられたように全身を投げ出していたが、 「…麻也さん、大丈夫?…」 「…うん…何か、すごく満たされちゃって…」 「そっかー、良かったあ…」 そう言って、嬉しそうに諒は抱き締めてくれて、額にキスしてくれた。 2人はしばらく、無言のまま抱き合っていたが、 ちょっと切ない気持ちで、麻也は言った。 「最高の、夜だね。」 「麻也さんも、そう思ってる? 」 「うん。」 とは言ったものの、本当は少し違う考えも忍び寄ってきてはいるのだが…  ミュージシャンの、悲しい性<さが>。  さて、明日からはどうやって戦いますか…?  諒がシャワーを浴びに行った間、 麻也は情事の後のベッドの中で、もう考え込んでしまっていた。

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