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第9章の49

 そしてまたうとうとしてしまい…気がつけば諒は戻ってきていて… 「…いくら何でも麻也さん、一回ベッドから出ようよぉ…」 それを聞いて麻也は大笑いしてしまった。 「…いつもベッドに引っ張り込む諒が、俺をベッドから追い出すなんて…」 諒は苦笑いして、 「腹が減ってはいくさは出来ぬ、なの! 」 とはいうものの、リビングのテーブルで、のんびりしたランチだった。 「あーあ、これで涼しかったら、ベランダでビールが飲めるのにね…」 いつぞやの麻也がうらやましい諒が言う。そして、 「こんな日に野外ライブだったらキツいね…」 麻也は苦笑いをする。つらい過去を思い出してしまって… 「そういや俺たちって屋内のイベントだけだけど… 野外ならまだ若造だから昼の2時くらいに出されそう…」 キッシュを突つきながら、諒は笑顔で続けた。 「禁断の愛、も、背徳、も吹っ飛んじゃうよ。」 「ま、だから社長もそんな仕事取ってこないのかな。」 どうにか麻也も笑うことができた。 それで麻也は切り出す気になったのだが…

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