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第9章の50
「あのさ、諒…」
「何? 麻也さん…? 」
仕事モードとは全く違う、おだやかな表情の諒を見ると、ちょっとためらわれてしまう。
「休みなのに悪いんだけどさ、このオフの最後の3日間、
くつろぎながらでも、軽く仕事の打ち合わせしない? 」
すると諒は少し困ったような顔をして、
「…3日間は、ちょっと…」
「あ、予定あったんだ…」
知らなかった…、ちょっと寂しいんですけど…
麻也のそんな気持ちが顔に出ていたのか、諒はあわてて、
「う、うん、まだ勝手に決めてるところもあるんだけど、
明日は原宿で麻也さんとショッピングデート、
あさっては先輩と飲みに行って、その次の日は…あの…実家に一泊しようかと思ってて…
で、その次の日はのんびりして、ラストが打ち合わせかな、と。」
オフが明ければ、すぐに反省会や打ち合わせが事務所ではあるわけだから、
確かにオフは仕事抜きでもいいわけだが…
でも、麻也としては、曲を作る者同士たとえ対立しても、経過をまとめて、
他の人間に提示をしたかった。
が、確かに諒の予定も認められるべきで…
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