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第9章の69
自分たちはそんな危ない橋を渡ってまで、どうしてロックがやりたいのだろう。
その答えは…
そこにロックがあるから…
ロックがある限り、自分はギターを弾いてしまうだろう。曲を書いてしまうだろう。
それは諒も同じだろうと思うから、
あまりマイナスイメージから話を始めないようにしようとも思った。
…とはいうものの、ミリオンセラーというのは…
確かに最初は周囲から言われたものだったけれど、今は間違いなく、
ディスグラのプロデューサーとして、ディスグラのメンバーとして、
それを目標にしている。
また、それぐらいの売り上げがなければ、あの憧れの東京ドームにだって立てない…
でも、もしかしたら、その入り口にかなり近づけるとしたら、この賭けは悪くない。
でも…諒や他のメンバーには、それが麻也個人の野望にしか見えないのだとしたら、
悲しすぎる…
「もっと大局を見て話しあわなきゃね。明日みたいな機会には…」
しかしながら、あと10万枚売るのにはどうすればいいのか?
何より、この前の90万枚のセールスは確保できるのか?
そのためには、タイアップも欲しい。
パイロットシングルは?
(やっぱり諒にいてほしかったなー…)
そう思いながらも、麻也はアイデアをノートに書きだしていった。夜遅くまで…
(この章終わり)
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