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第10章<青空の誘惑>の1
次の日は、麻也は「珍しくも」会議室に一番乗りだった。
「どうしちゃったの? 」
次にやってきた真樹は笑いながら、恵理と一緒に選んだという沖縄みやげを手渡してくれた。
その後、元気な直人と…ちょっと顔色が悪い諒が笑顔で入ってきたので、
嬉しくなった麻也は思わず立ち上がり、
「諒っ! 」
「麻也さんっ! 」
と三日ぶりにハグ…と思ったら、ぎゅっと抱きしめられてディープキス…
嬉しすぎる…が…
「社内はキス禁止っ! 」
社長が入ってきて、2人は引き離された。
「…ったく、家とライブだけじゃ足りないのかっ! 」
すると諒が、
「だって俺は、実家でずっと寝込んでたんです。」
「えっ? 大丈夫か?…」
「ようやく昨日病院で抗生剤もらったんで…風邪でした。」
「ああ、それで麻也とも数日ぶりで…ったって、コレはダメ! 」
てへっ、と2人は舌を出し、他の人間の冷ややかな視線を浴びながら、
隣り合って席に着いた。
そのうちに、レコード会社の担当や、舞台監督たち、プロデューサーの木内たちもやってきて、
…まずはツアーの反省会が始まった。
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