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第10章の7

 ただでさえ、初のセルフプロデュースに悩んでいるのに、 外部の仕事でも高いクォリティは出せるのか。 かといって、断ったりすれば報復も怖い…  ようやく麻也は口を開いたが…なぜこんなことを言ってしまったのか。 「…でも、俺たちのさらなる宣伝効果が見込めそうなのって、 そのアイドルの仕事だけですよねえ…」 するとみんな笑い出し、 「兄貴、意外と欲張りだな。」 言われて自分でも気づき、吹き出した。 「…そうだったね。もうタイアップはくっついてるんだもんね…」 「…とにかく、オンナがらみの仕事は特にダメです。」 「諒、お前、妬いてんのか? 私情を挟むのはやめてくれよな。 何より、相手はまだ16歳の子供だぞ。」 「16歳ったって、ウチのファン層じゃないですか。 麻也さんのお嫁さんになりたいです、ってファンレターにも書いてあるもん。 俺まで後妻プロポーズされてますよ、高校生に。」 「でもさ、実際に、お前や麻也みたいに13や14で不純異性交遊するガキばかりじゃないんだぞ、 相手はアイドルだぞ。清純に決まってるだろーが。」

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