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第18章の43★薬に困る麻也王子
すると、それに気づいた真樹が、
「兄貴、パジャマでも持ってくるふりして、薬持ってこようか? 」
「いや、悪いからいいよ。それに、諒を起こしちゃってもかわいそうだし…」
「まあ、薬のことがバレてもねえ…うーん…」
「明日病院に行くからいいよ。大丈夫だよ。」
とは言ったものの…
次の日の診察室では、真樹と鈴木、麻也、そして医師まで、頭を抱えることになってしまった。
「うーん、仕方ない。薬を足しますか。朝と夕方のむ薬を…」
「いやあ…どうしよう…」
麻也はためらった。これ以上薬が増えることで、体への影響も怖かったし、周囲にも隠しづらくなる。
これなら一人で来て、無理にでもカウンセリングを受けた方が手っ取り早かったのでは、と麻也は後悔したが、
それでも…あのことはやっぱり話せなかっただろう。
ようやく真樹が、
「…副作用はないんですか?…」
と尋ねると、医師は、
「出る人には出ますね。ふらつきとか眠気とか…車の運転とかはしないように…
だから、本当は、最初の2週間はできれば自宅で安静にしていてほしいんです。」
そんなの無理だ…麻也の側はお互いの顔を見合った。
しかし、代案を出したのは麻也本人だった。
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