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第10章の14

 その後は衣装チェンジして、グラビア撮影。 今回は誌面にきらびやかなライブ写真も掲載されるので、 着替える衣装はパンクっぽいラフなシャツなど… そしてポージングも、抱き合うようなものではなく、 ラフにメンバーが立ったり座ったりして笑顔を見せるというものだった。 まだ休みボケもあったような気もするが、引いての構図だったので、上手くごまかせたと思う…  終わった時間は0時を回っていたが、メンバーだけで、食事がてらミーティングをすることになった。 近所の居酒屋に入ったが、まずはみんな無言で…山かけ丼を、まあ、ぼちぼち食べ… 真樹がやっと、 「やっぱ諒は…」 「はあ? 何? 」 「そんなに曲作りが苦痛なの? 」 ビールを飲みながら諒は、 「そうは言ってないよ。」 すると真樹はいたずらっぽい目をして、 「大変なら、俺も書こうか? まあ、ミーティングでも披露するのはずいぶん久しぶりになっちゃうし、 採用してもらえるかどうかはわからないけどさ。」 直人も強力プッシュする。 「それいいんじゃない? 多面性が出てさ。ねえ、麻也さん? 」 すると麻也が口を開く前に諒が、 「でもさ、頑張って書いても。プロデューサーがプロデューサーだよ。」 「諒、お前、今日は何なんだよ。」 直人がたしなめたが、真樹はすましたもので、 「いや、俺は兄貴のセンスを信じてるから、別に。」 「じゃあ真樹、アルバムコンセプトが決まり次第、すぐ書いてね。」 「うん。わかった。」 隣で諒があきれた顏をしているのがわかる。

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