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第10章の15
そのうち、直人が時計を気にし始めたので、
明日も忙しい4人は帰ることにしたが…
麻也と諒が心配な2人は、
「あまりケンカしないでよ…」
「兄貴、何ならウチに泊まる? 」
麻也は首を横に振り、いつものように、おやすみ、というと、2人とは別れた。
そして気まずいまま、でもいつものように、諒が拾ったタクシーに後から乗り込んだ。
車の中でも沈黙…麻也も久しぶりの仕事に疲れてしまって、無難な話を始めるのも面倒だった。
家のリビングに入っても、2人は無言…
いつもならどちらかが、「何か飲む? 」とか声をかけるところから始まったりするのだが…
諒は黙ったままソファに腰掛け、ミネラルウォーターを飲み始めたので、麻也も立ったまま、自分の分のボトルに口をつけた。
麻也が何気なく、そのボトルをテーブルに置いた時、その均衡は破られた。
右の手首をつかまれ、強引にソファに座らせられると、背もたれに押さえ込まれ、無理やりディープキス…
…たっぷり味わわれて…
(…何だよ、これ、あっ…)
シャツの下から手が入ってきて胸を撫で…
(もう、読まれてる…)
麻也は半泣きだった。あまりに好きなパターンかも…
抱き締められ、耳のあたりをキスされながら、
「…麻也さん…この続きヤって欲しかったら…」
「…あ…や…うぅっ…」
「…タイアップやめるって言えよ…」
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