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第10章の19

 そして諒はその腕を離すと姿勢を正し、 「麻也さん、今日はずっと失礼なことばかり言って、 本当に申し訳ありませんでした。」 と、頭を下げてきた。 「いいよ。ディスカッションだから、いいよ。」 麻也は諒の腕を優しくぽんぽん、と叩くと、 「もう遅いから寝ようよ。」 と穏やかに言った。  いつものように2人とも、全裸になってベッドに入ると…  明かりを消す前に、諒は麻也にそっと腕を回し、抱き締めてきた。 「どうしたの? 」 風邪が治ったばかりなのに、諒ったら… と麻也はくすっと笑ったが、 諒の言葉は意外なものだった。 「あのさ、麻也さん、さっきの言葉、撤回して。」 諒の表情は硬いとも言えたし、そうでないとも… 「何だよ、またその話? 」 「そんなに怒んなくてもいいじゃん…」 「怒るよ。さっきお前、頭まで下げてきたんだろ? 」 すると諒は苦笑いして、 「違うよ。それじゃなくて…」 「じゃあ何? 」 「そんな怖い顏しないで♪ その、さ、麻也さん、さっき俺がちょっかい出した時、 『目先の快楽』って言ったじゃん。」 「うん。」 すると、諒は麻也 をぎゅっと抱きしめ、麻也の耳を舐め、 それから麻也の中心をしっかりと掴んで… 「…なっ…急に…諒っ!…」

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