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第10章の20

「これでも『目先』にしか過ぎないんでしょうかっ! 」 「あ…ああん…諒…」 本格的に諒は覆いかぶさってきて、キスの雨を降らせてくる。 「これでも? これでも? 」 「あ…ん…諒…」 「コレって、『最高の快楽』なんじゃねーのっ! 麻也さんにはっ! 」 しかし、どうにか麻也は反論する。 「…違う…よ…はぁ…ん…」 「えっ…? 」 諒の動きが止まる。すごく傷ついたような表情で、麻也を見つめている。 「それって…何? 俺じゃ本当は物足りないってこと? 」 「そんなわけないじゃん…」 「じゃあ何だよ? 」 いくら麻也でも、男としてこれ以上は言えないので、 毛布にくるまると、ぷい、と背を向けた。 「わかってないのは諒の方だよ。」 「麻也さん、それじゃわからないよ…って、あっ…」 わかったあ、と諒が背中から明るい声でしがみついてくる。 そして、耳元で囁かれる。 「正解はっ!…」 「も、いいからっ!! 」 「あ…」 「それ以上言ったら殺す! 」 「悩殺されたーい!! 正解は、『愛の儀式』でーす!! 」 「もー、いい加減にしろよっ!! 」 「わー、でもやっぱり正解なんだあ! 」

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