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第10章の33
ベッドでは、いつもは麻也の場所である壁側で諒がすでに爆睡していて、
片側は空いていた。
諒のそばにいたくなって、麻也はソファで寝るのはやめて、
そっと毛布をめくりあげ、ベッドに入った…
…と、あっという間に目覚ましが鳴り…
…ケータイが鳴り…外は明るく…
…うるさくて寝ていられない…と麻也が毛布にもぐりこむと、
「…もー、麻也さん…ケータイ出てよ…」
諒も嫌々起き上がると、麻也の体をまたぎ越して目覚ましを止め、
鳴りっぱなしの自分の携帯を取り上げる。
「…おはようございます。寝てました。まだ8時ですね。
ありがとうございました。必ず間に合わせます。二度寝はさせません…」
電話を切ると、諒はいきなり抱き起こしてきてのディープキス…
「…ん…ちっそくするっ! 」
麻也は体を振りほどいて壁際に逃げたが、
「ほら麻也さん、早く起きて。そんな可愛いおしりを見せてもダメ! 」
「…何で諒はそんなにスムーズに起きられるんだよぉ…」
「それはアナタを起こすためですっ! 」
と言ってから、諒はまた麻也の体を引き寄せ、
優しく抱き起して、あやすようなキスをくれる。
「…今の電話は…? 」
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