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第18章の47★クビ寸前?の麻也王子

社長の声は、心からすまなそうに、 「ごめん、それはわかった…でも、じゃあ、本当のストレスの原因は何だろう? 言いづらいのはわかるけど、例えば、ディレクターがキツイとか、ディスグラのメンバーということで、嫌がらせをされて…」 「そういうのはありません。体が勝手に言うことをきかなくなってく…」 嘘をつきとおすしかない。 すると、社長はまだ困ることを言い始めた。 「…何か、脅されてるとか…」 「いえ、それはないです…」 と言ってから、<それ>じゃない理由があることを認めてしまったようなもんじゃないか… 「麻也、俺たちが頼りないなら、弁護士とか、カウンセラーとか…」 麻也は逃げだしたくなった。それは社長に伝わってしまい、 「麻也、じゃあ、誰なら話せる? 」 「社長、申し訳ありません…」 うつむいたまま、麻也が席を立とうとすると社長は、 「麻也、教えてくれないなら、俺も嫌だが、ペナルティも考えなきゃいけなくなる。」 「…ペナルティ?…」 思ってもみなかった言葉に、麻也は社長の顔を見たが、社長は天井を仰ぐと、 「次のレコーディング、明日からのレコーディングから降りてもらう。」 「そんな…」 「不審なアーティストをスタジオに入れるわけにはいかない。 今回が諒と木内さんのプロデュースだといってもだ。」

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