1009 / 1053

第18話の48★ピンチ回避の麻也王子

…そんなこと、考えてもみなかった。 何より、社長にそんなことを言われるなんて.. 麻也はドアの前に立ちつくし、ぼう然と社長を見つめ続けるばかりだった。 もう、自分にはどうすることもできない... ...ここまで追い詰められても言えないものは言えない。 でっちあげる嘘すらもう考えつかない... しかし、社長はやっぱり社長だった。 麻也の表情を見て、全てを悟ったのだろう。 「...麻也、わかった...わかった...ごめん...」 なだめながら社長は麻也に歩み寄ってきた。 しかし、麻也は膝から崩れ落ちてしまった。 「麻也、ごめん。すまなかった。俺がバカだった。わかった。悪かった。 何があっても、俺は息子同様のお前を守るから...」 そして、社長はなおも言いつのる。 俺はアイツとは違う、恫喝なんて、理不尽なことなんて、お前たちには絶対にしないから... 麻也の左肩に置かれた社長の手からはぬくもりが伝わってくるが... 一番ありがたい誤解だと、麻也には安心する気持ちの方が大きかった... 「...!」  目が覚めると、知らない、殺風景な部屋の、ベッドの中だった。  そして、大嫌いなタ方にひとりぼっち...  そこで麻也は思い出した。 ここは社長の家で、留学中の長男の部屋を借りたことを...

ともだちにシェアしよう!