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第10章の40
「『ベルティーン』ていう、ティーンズ雑誌のインタビューとグラビア撮影です。」
「はい? 」
「<おにいさま図鑑>て新コーナーが始まるそうで…」
「ヌードやセミヌードはないんだろうねえ!? 」
諒が怖い顏をして問いただすので、麻也はにっこりと、
「諒、キスマークつけといて! 」
「よーし全身につけちゃうぞお~♪」
リズム隊も明るく、
「ここではヤ・メ・テ~」
過労から壊れていくメンバーに、須藤は力なく、
「い、いや、こっちは来週打ち合わせなので…」
立ち上がりかけて麻也は気づく。
「いやー、須藤さん、これからスーツの手配、どうにかならない? 」
暑いので、お気に入りのコットンの白のシャツに、ジーンズというラフないでたちで、
今日は来ているのだ。
「いえ、とにかく急がれているので…」
「いいよ、あんまり正装っぽいのもナメられちゃうし。」
と、諒も言い、真樹も、
「忙しい売れっ子なんだからいいじゃん。」
「でもスーツ…」
「あー、うっさいなあ! 兄貴、ちゃっちゃとすませてきてよ! 」
他の三人はこれからインタビューを予定通り受け、
その後は諒はボイストレーニングと曲作り、
リズム隊は自主練だという。
「麻也さん、終わったら連絡ちょうだいよ! 」
諒の言葉に送られ、麻也は相手先のスタジオへと向かった…
相手先では、大歓迎を受けた…ただ一人を除いて。
それは、共同プロデュースをするベテランプロデューサー・山口だった。
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