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第10章の41

彼もラフな格好だったが…握手も何だか苦笑いで… (俺と組むのが嫌なのかなあ…) 麻也は少し不安になった… (うーん、やっぱりここはスーツにすべきだったのか?)  まずは須藤も立ち会って、打ち合わせ室で麻也は契約書にサインをした。 すると須藤はさっさと帰ってしまい、麻也はスタジオへと案内された。 なんでもこれから、このバンド「スナイカーズ」が、山口の作った曲を演奏するという。 スタンバイして、まずは楽器隊の音が始め、ボーカルが乗っていき… 麻也はどうしたものか、非常に困ってしまった。     何の個性もなく、テクニックも、ギターの久保田以外はさしてみるべきものもなく、 …そして肝心のボーカルの少年は魂も感じられない… 曲そのものも…平凡…というか、これは山口がこのバンドの実力を見越して用意したもののような気もしたけれど。  麻也も寄せ集めのバンドを経験したけれど、ラストの方はハングリーだったし、 諒たちと組んでからは、ライブハウスの中での下剋上に必死だった。 そうでなければデビューできたところで、生き残れるバンドにはなれないからだ。  演奏が終り、コメントを求められると、麻也は本当に困ってしまった。  が…

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