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第10章の48
酔ってきたわけではないだろうが、山口は笑いながら、
「何せ、1000人斬りで、みんな侍らせてきたんだもんね? 」
「そこまではいってませ~ん…
もう、諒に聞かれたら困るんですから…」
麻也が苦笑いしながら、ふるふると首を横に振ると、
可愛い~、と冬弥以外のみんなにからかわれ…
でも、そろそろオチをつけないと…
「で、今は、ファイナルステージ、です、と。」
みんなも納得してくれた。
が…
何を思ったのかバカが一人…
「じゃあ、罰ゲームで、俺、脱ぎます! 」
「はあ? 」
「おい、何考えてるんだよ! 」
と、周囲が止めるのも聞かず、冬弥は黒のシャツを脱ぎ、白い素肌も見えてくる…
麻也は不快を隠し切れなくなって、悪いとは思いつつ、
山口には電話が来たと言って席を立った。
もちろん着信はしていない。でも、いいタイミングだと思って、
携帯電話スペースに入って、諒に電話してみた。
―もしもし…
心配そうな声。急いで告げる。
「諒、俺だけど。今、歓迎会やってもらってるんだ。」
―良かったじゃん。じゃあメシは大丈夫だね。
ゆっくりしておいでよ。
「諒は? 」
―今帰ってきたとこ。これから適当に食って、曲作りしてるから心配しないで…
あとね、社長から伝言で…
…諒の声でかなり元気になった麻也は、電話スペースから出ようとドアを開けた…
と、人にぶつかりそうに…
「あっ、すみません…」
「麻也さん…」
さっきの冬弥だった。怒られて、トイレで服を直してきたのだという。
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