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第18章の53★弾丸な諒が嬉しい麻也王子

 …すると、枕元の携帯に、真樹から短いメールが来た。 ―兄貴、明日も無理しないで。音入れ以外は俺がついたてになるからだらっとしてて。 持つべきものは弟だ。だが、ここで返事を書くと眠れなくなるような気がしたので、明日、会った時に… そんなとき、切実に思った。 (諒にメールでもしようかなあ…でも、なんて…あしたもよろしくとか…? 何でもいいからきっかけが…) 「わあっ!…」  …闇の中、突然手が震えてびっくりした。飛び起きた。携帯に何か着信… 直人からのメールだった。 珍しく厳しい口調で、 ―諒には転送しましたが、これからは直接でお願いします。 何のことかわからず、麻也はあわててメールの発信履歴を確認…して、時計を見て… どうやら自分は1時間ほど前に意識を失ったらしい。そしてその直後に直人にメールを発信している… (酔っぱらってメールするようなもんか…えっ、えーっ?? ) 文面を見て麻也は闇の中一人で真っ赤になった。 ―諒、会いたい、声が聞きたい… (あちゃー…) 確かに心の叫びではあるが…明日は顔を合わせるのに… (…薬って怖いかも…)  その時、1階の玄関の方で音がして… 部屋のドアがノックされた。 「麻也さん、すみません…」 「はい、どうしたの?…」 急いで明かりをつけると、当惑した表情の公彦くんだった。 「…諒さんが来てるんですけど。 麻也さんに急に呼ばれたって…」 麻也は驚き、でも喜びが込み上げてくるのを隠すのに苦労した…

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