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第18章の54★麻也王子のナイト参上!

 麻也はよっぽど複雑な表情をしていたのだろう。 麻也の事情は聞かされている公彦も困った表情で、 「…諒さん連れてきて大丈夫ですか? 」 まさかこのまま帰すわけにもいかないから…というような表情を作って、麻也は、 「あ…お願いできる? 」 ほっとした顔で公彦は階段に向かっていった…  枕もとのスタンドの明かりの中、麻也がベッドに座っていると、 諒が案内されながら階段を上がってくる気配がする。 そして、大学生たちにお礼を言っている諒の声… (俺、いったいどんな顔すれば…) 麻也が悩んでいると、ノックの音が… そしてドアが開くと… 「王子、お呼びでしょうか? 」 と、すばやくナイトのようにひざまづいた長身の諒… 黒のコートにキャラメルブロンドのワンレン、 セミロングの諒は麻也でも恐ろしくなるほど美しかったが… (髪の毛、まだ乾ききってないじゃん…) 風邪をひかないか心配になったが、でも、 どれだけ急いで 来てくれたのだろうかと思うと、 麻也は嬉しくて諒に抱きつきたくなったくらいだった… が、気づけばドアは開いたまま、公彦と吉田は当惑していて… 「あ、あの、じいや、まずはドライヤーを借りた方が…」 じいや?と諒が睨む前に、大学生ズが、下から持ってきますー、と階段を降りていく… と、聞き慣れた社長の声が聞こえてくる。 次にはパジャマ姿の社長がドアの外から顔を出し、 「…諒、気分でも悪いのか? 」 「違いますっ! 王子にご挨拶っ! 」

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