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第18章の56★麻也王子の最終兵器・KISS…

 麻也は思い切って、いつもなら言えないようなことを諒の耳元に優しくささやいてみた。 「…諒、愛してる…俺には諒だけだよ…」 そしてすぐに付け加えた。 「俺は諒だけのものだよ…」 すると諒はまた無言で腕に力をこめてくる… 口から生まれたとしか思えないこの男の、ここまでの無言は大問題だ。 引き抜きのウソ話に乗って「俺が移籍なんか…」と言うのが無難かとも思ったが、 諒はもっと奥の不安を抱えていると麻也にはわかる。 (…諒、ごめん、俺の本当の過去は、ツアーの後に話すから…) 麻也は諒の瞳をちらっと見ると、ためらうことなく、自分の方から唇を重ねていった… どうにか歯を舌で割ったが、いつにないことに、諒の舌は自分で動いてはくれない… これを求め続けて、自分がどれほど諒を求めているかを、プライドをかなぐり捨ててでも、 諒に伝えなければ… そう思った麻也は、諒の体を優しく横たえると、一瞬見下ろす格好になった。 すると、諒の瞳に、かたくなさが少しほどけてきたような光が… それで少しほっとして、麻也は諒に覆いかぶさっていった…

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