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第10章の60

「この時間に何だろう…」 諒が立ち上がって取りに行くと、 「これ、麻也さんの仕事じゃないかな。歌詞みたいのが書いてあるよ。」 麻也が受け取ると、例のアイドル「太賀鈴音」の、A面の方の歌詞だった。 タイトルは「青空の約束」。 歌詞もすごくピュアで、さわやかで、でもアイドルの王道らしさがある… それはいいのだが… 「…これに合うさわやかな曲って…どうすれば…」 アイドルの仕事と聞いた時からわかっていたことではあったが… 諒も興味深げにのぞき込んでくる。 「…こういう世界もあるんだよね…心が洗われちゃうね…」 「ついでにさっきまでの空気もね…」 「だってあれは麻也さんが悪いんだよ! 俺のアップで動揺してるからっ! 」 「いいから、このさわやかさを俺に吸収させてっ! 」

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