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第10章の61

明日連絡しなきゃ、とつぶやいて歌詞をじっくりと読む麻也に諒は急にしんみりと、 「麻也さん、なんか、苦労かけて、ごめんね。」 「でも、これで東京ドームまで行けるかもしれないと思うとね。がんばるよ。」 麻也は諒を安心させるように微笑みかけた。 すると諒はそれが嬉しくてならないという風に、麻也にしがみついてきた…  …とはいうものの、今日だけでは作業が終わるはずもなく、そろそろ寝ることにしたのだが…  先にベッドルームに入って、明かりを暗めにすると、また今日のことが思い出されてしまう… (何とか頭から追い出さなきゃ…) こんなに意識してしまうほど、諒との蜜月が平穏で、刺激に飢えているというわけでもないと思うのだが… 「あ、麻也さんも、もう寝られるんだ。よかった~」 「あ、うん…」 諒は麻也の声の暗さに少し驚いたようだったが、バスローブのベルトをほどきながら、笑って、 「俺以外で麻也さんの写真とか見て、妄想し過ぎるヤツいたら許せないな…」 それを聞いて、麻也は笑みは作ったが、ちょっと言葉は出なかった。 「麻也…さん…? 」

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