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第10章の64

 一糸まとわぬ姿にされると、照明を明るくされて、キスマークがついてないかくまなくチェックされ… ついていないことがわかると、諒の烙印としてのキスマークをつけられ… 脚を開かれると、珍しく、あまり下準備のないまま、諒は体を進めてきて… 「諒…痛い…」 始めた時の柔らかな空気はどこにもなく、諒の方も余裕が全くない様子で… でも、だからこそ、麻也は痛みをそれ以上訴えられず、必死で唇を噛みしめた、 が、痛くて涙がにじんでくる。 それでも諒はいつものようにフォローはしてくれず、途中から少し手加減はしてくれたが、 激しく押し進めてきて… それはやっぱり諒の心の叫びだと思うから…麻也も、必死で受け止める…  麻也さん、俺だけを見てて…  俺以外のヤツなんか、意識にものぼらせないで…  …時を一緒に過ごしてきて、一緒に仕事でも成長してきているのに、 どうして諒の束縛は激しくなるばかりなのだろう…  麻也の意識が、ふっと暗くなる。  …それはやっぱり…諒が自分のあのことを知ったからではないのだろうか… …でも、それについて触れることは、自分には絶対にできない… 「…痛くなくなったでしょ? 」 角度を変えてきた諒は意地悪な表情で…でも… 「う…く…っ…」 「こんなに…なっておいて…」 …そう言うなり、諒はいつもの優しい表情に戻っていき… 「ホントに、俺だけ…にして…」 だから一緒に、イこう… その言葉に、麻也は、全身ですがりついた…

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