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第11章の7
「諒、それはこの忙しい期間の後にして、真樹に頼んでしまおうよ。
クルマあった方が便利じゃん。オヤジに何か言ってもらえるなら、
電話でも全然大丈夫だと思うし。その時間もあるかな、ってとこだし。」
「まあ、そうだねえ…」
それなら運転する時間もあるのだろうか、とも諒は一瞬思ったが、それ以上は反論しないことにした。
それに諒は、大学の頃、直人と一緒に真樹の家に泊まりに行ったこともあるから、兄弟の母の手料理までごちそうになっているが、
父には会ったことがなく…「麻也さんを僕に下さい!」の方が先ではないかとも思ったからだ…
それで、
「じゃあ、真樹、頼んでもいい? 」
「うん。大丈夫だよ。」
話がまとまり、そろそろデザートへ、といったところで、麻也が、
「そういえば、直人はクルマどうするの? 」
「そうだよね。俺たちはゲットできたって言わないとなんかマズいよね。」
諒がそう言うと、真樹はいつもの明るさを取り戻して大笑いし、
「いや、昨日かな? 直人の方がクルマの話題を振ってきたから、
ウチらの2台のクルマの話はしたよ。そしたらさあ…」
「何だよ、早く…」
すると真樹は爆笑しながら叫んだ。
「<ディスティニー号>貸して!って…」
「はあ? ってか、まだあるの? <ディスティニー号>って…」
諒にも懐かしい機材車は、遠藤家に預けっぱなしで真樹が管理していたはずだったが…
麻也は大笑いして、
「デートの時それでいいの? 彼女と気まずくならないの? 」
「いやあ、<ディスティニー号>はまだオヤジと叔父さんが釣りとかにたまに使ってるよ。
さらには、半べそで、<当分デートはないからいい>って…」
麻也と諒は目を丸くした。
「えーっ、そういうことぉ~! 」
「じゃあ、直人、今、フリーなのぉ? 」
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