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第18章の59★諒が見えない麻也王子

レコーディングでは、気が変わって、例の新しいピンクのレスポールのギターも使い、 昨日入れたギターパートも録り直した。 気力が途切れないうちに、なるべく早く終わらせたいので、いつも以上に集中。 この日も弦は麻也の指を裏切ることはなかった。 そして麻也の気持ちの方は、諒との昨夜の一件で、艶っぽさを持てた…ようでもなかったが、 広い意味でのラブソングなので、諒との楽しかった日々を思い出して、まあ、全体のバランスも見ながらハートを込めた。 それで、いつも通りミスもなく、この日は底辺に流れてややロマンティックな効果を増す音を弾き終えた。 プロデューサーの木内からも一発OKをもらったが、 もう一人のプロデューサー・諒の表情は見えなかった。 しかし、麻也がもう一度顔を上げると、諒は木内に向かって親指を立てて微笑んでいた…  麻也は安心してギターをローディーのケンにギターを渡し、立ち上がってブースを出たところで… 目の前が、真っ暗に、なって…  …気がつくと、麻也は控室のソファの上に横になっていた。 そばにいてくれた真樹と直人が言うには、すんでのところで諒が抱き留めたので、ケガがなかったらしい。

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