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第11章の22

他の3人は立ち姿だけだったが、麻也は床に座るように言われ、さらには、壁にもたれかかり… ファインダーをのぞいたまま、ボブは石川に叫ぶ。 <ベッドはないんだよねえ?> <ないっ! だめっ!> <なあんだ…> 石川も、みんなの手前小さくなってしまう。 そしてボブは1枚ポラロイドで撮って様子を見ると、おもむろに、普通のフィルムカメラを取り出して構え連写を始めた… 「ちょっと話が違うんですけど…」 社長はおろおろし、石川も須藤も、制止すべきかおろおろしたが… しかし、その中で一歩も引かないのは麻也自身で、誘う瞳でカメラのレンズを見つめる。 (麻也たん、なんで俺のこれまで知らない、美少女みたいな表情ができるんだろう…) 諒は改めて、魔夜姫さまのポテンシャルを思い知らされ、 「早くすべてを把握しなければ危ない」と久しぶりに不安になってしまった。 さらには… (育ち過ぎみたいな言い方してたくせにこのオッサン、調子にのりやがって…) その間も麻也は、今度は体の角度を替え、唇はやや開き気味の色っぽさ… 真樹も目のやり場に困る感じで、いつもの撮影の時のように後ろを向く。 「なんかさあ、マドンナの、<ライク・ア・ヴァージン>のジャケットみたい。」 直人や社長たちから苦笑されているのはわかるのだが、撮影に夢中な2人を見ながら、諒は気が気ではない。

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