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第11章の24
<えっ、それって本当だったの?>
ボブは目を丸くした…ところで、立ち上がった麻也の方から、小首を傾げて、諒を誘った。
得意げに歩み寄る諒と、大げさに落胆してみせるボブを見て、みんなくすくすと笑ったが、
それにはかまわず、珍しく麻也の方から諒に腕を回し、2人でみんなに笑顔を見せた。
「もう、キスとかしちゃったら? 」
日頃真面目な石川が冗談ぽく言ってくれたので、麻也は「アジアの少年の無邪気さ」で、諒に唇を重ねていった。
ボブに見せびらかすような角度に調整すると、最初はふざけて目を見開いていた諒も、そのうちはにかみの色を見せ始めたが、
ボブは半ば涙目で、ポラロイドで1枚撮ってくれた。
<ちっくしょー! 1枚だけでもありがたく思え!>
<サンキュー、サー!>
2人のキスシーンが印画紙に浮かび上がる。
のぞき込む石川が、
「衣装が白だから、何か、結婚式みたいでいいね。」
と言ったので、みんなも集まってきてのぞき込む。
麻也の方が積極的に見えるキスだったので、諒は上機嫌でそれをみんなに見せびらかした…
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