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第11章の27
髪が乾いてからは、急いで明日のシャツとジーンズを決め…明日は打ち合わせやリハーサルの立会いなどの内勤だ。
思えば、帰ってきてから、いつものように忙しいので、今日のボブの写真のことに2人とも触れてはいない。
まあ、その方が明日のプレゼントがカンづかれなくていいかも、と、麻也も触れなかった。
すると諒が、
「そういえばね、須藤さんが、ちゃんとパジャマ着て寝て下さい、って。」
「えっ? 」
「何かおしゃべりしてる時に、俺たちが寝る時全裸、ってバレちゃったんだよねえ…
で、やっぱり、これからトシくうんだから、体は冷やさないで、と。」
「ふうん…」
またさっきのことを思い出して暗くなった麻也に、諒はツアー用に使っているお揃いのシルクのパジャマの、麻也用の白を手渡してくれた。
「ああ、そうだ、麻也さん、ぱんつをはかなきゃいいんだよ。それだけでも締め付けが一個減るじゃん。」
「なるほどね…」
元気なく答えてしまったが、早くベッドに入らなければと、諒には背を向けて、手早くバスローブからパジャマには着替えた。
…と、いきなり、背後からズボンを下げられ、
「そうそう、こうやったら可愛いおしりがすぐ見えないとね。」
と、愛おしげに撫でられた。が、ただ怒るのもしゃくだったので、
ズボンを引きあげながら諒の方を振り返ると、おかしげなことも言ってみた。
「ふふ、諒、気がついてた? 」
「え? 何? 」
「今日、キス写真撮った時、俺、諒に…」
「え? なになに? 」
諒はすごく期待した笑顔になったが、いざとなると恥ずかしくて言えなくなった。
「ううん、気にしないで…」
「えーっ! 気になるぅ~…」
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