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第11章の33
2人の定番のおさかな弁当も、いただき物の白ワインも美味しかったが、
「麻也さん、撮影テストもあるからあんまり飲まないでね。あ、いや、恥ずかしくなくなるからいいのかな? 」
さすがの麻也もこれには吹き出した。
「だから、何で俺のヌードなの? そんなにハダカ撮りたいならセルフタイマーで撮ればいいじゃん。」
諒はむくれてしまった。
「なんで自分のハダカ撮るんだよ! 俺は麻也さんのヌードを撮るの!
俺、ずっと麻也さんの美しさを自分の手で残しておきたかったんだよ。
できるなら絵でも残しておきたい気分なんだけど。」
食事時の話でもないような…
「ん…諒…そんな残すほどのものじゃないから…」
すると、諒は強力に、
「麻也さん、若くて一番綺麗なうちに撮っておいた方がいいって…」
何か、昨日のボブの言葉が思い出されてちょっと麻也はがっかりした…
のは、諒にも伝わったらしく、
「ああ、俺、ずっと麻也さんのヌード撮り続けようかな。
麻也さんが嫌なら、年に一度、お誕生日だけでもガマンすりゅ。」
「うーん、いずれは前衛芸術だねえ…オジサンのヌード…」
「芸術カップルだからさ、俺たち。」
こりない男である。
「…で、年に一度でいいわけね。」
「いやいやいやいや…」
「話ちがうじゃん。」
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