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第18章の65★欲望に身を任せる麻也王子…
「麻也さん、俺、今夜は帰さない…」
「諒…」
麻也だって、できることなら社長の家には戻りたくない。
というか、諒がようやくまた自分を求めてくれるようになったのなら、
こっちだって離したくはない。
諒の緑の鋭い瞳を見ると、それは麻也が心の奥でいつも求めている熱いまなざしで…
麻也がその瞳に吸い込まれそうになっていると、諒は獲物を狙うように、
乱暴に麻也の唇を奪った。
「もう、俺から離れられないようにしてあげる…」
麻也は諒に強引に肩を抱かれ、ベッドルームへと誘われていった…
ベッドの上ですべて着ているものを脱がされ、その上に諒が勢いよく覆いかぶさると、
いつにない強引さで求められる。
でも、麻也は内心では本当に嬉しくて拒絶できない。
諒の体も自分と同じようにベスト体重を切っていて、
こんなことをしている体力ではないだろうと、諒の体に回した腕ですぐわかったのに、
麻也は諒を煽らずにはいられなかった。
「…諒…もう、このくらいで…」
「…麻也さんは俺を愛してないの?! 」
「…あ…ふ…違うけど! 明日は大事な歌入れじゃん!…あ…」
「あーあーはいはい、エロいこといっぱいして、ギターももっといいテイク入れましょうねえ! 」
「…諒っ!…」
…被害者のフリをして、諒の欲望に全身で疼き、さらには自分のすべてを解放したがっている麻也がそこにはいた…
(…何が、王子だよ…俺は、王子なんかじゃない…天使でもない…)
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