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第18章の67★あの刺激を待ち始める麻也王子
仕方なく麻也は、
「いや、やつれたとこ見せてちゃって恥ずかしいなって、今気がついたから...」
と、どうにかごまかそうとしたのだが、諒は、
「本当のこと、言って。」
...と言われても、白状はしたくない。
「...いや、あの...ね、ひと息ついたら、風邪がぶり返したっぽい...」
麻也としてはちょっと可愛らしく言ってみたつもりだったが、効果はなかったようだ。
それを聞いた途端、諒の瞳は冷ややかな色になったからだ。
しかし諒はすぐに、珍しくも不自然な笑みを浮かべ、
「薬は持ってきてるの? 俺が飲ませてあげる。もっとあっためてもあげるし。」
と、あたためるように後ろから包み込んでくる。
本当の薬は持ってきたバッグの中に入っているが...諒には見せたくない。
「ううん、病院でもらったヤツなんだけど、社長の家に忘れてきちゃった。」
...それでも諒は、らしくもなくうわべを取り繕っているようで、何となくいつもと違う感じがなくならない。
「...じゃあ、例の諒クンスペシャルで中からたっぷりあたためてあげるね。」
思わず麻也は身を固くした。あの刺激を思い出して...
しかし、それ以上に思ったのは、
(これで、今夜はぐっすり眠れるかも...)
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