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第11章の42
「俺だって、可愛い可愛い鈴音ちゃんの仕事を延ばしてもらってやってるんだから。
可愛い冬弥くんだって控えてるし。」
それを聞いて諒は一瞬言葉を失ったが、すぐに立ち上がり、
「何だよ、その冬弥くんてのは!? 」
と、思わず麻也に叫ぶ。しかし麻也はそれを無視して、
「誰のレコーディングだと思ってるんだよ。
スタジオに来たくないヤツは来なくていいよ。」
「ふん、こうなりゃ一発で決めてやる! 」
怒り狂った諒がスタジオに戻っていくので、みんなもあわてて移動する。
結果、1回でOK。
「やればできんじゃん。」
「キーッ、ムカつくプロデューサー!! 」
それからはピッチをあげて、全体の指針となるデモというか、ガイドテープの録音まで終わったが…
帰りはまた近所の居酒屋で食事…へと向かう間、麻也と鈴木の後ろを、諒はリズム隊と歩きながら、
「ねえ、冬弥って誰? 」
真樹は困ったように、
「今度はお前かよ。詳しくは知らねーけど、あのーあれじゃねえの? 有名俳優の2世で、
<リトル諒くん>って呼ばれてる読者モデルじゃねえの。」
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