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第11章の44
みんなと一緒のうちは良かったが、帰りのタクシーの中、麻也と2人きりになってしまうと、沈黙…
家に着いても沈黙…麻也は無言のままシャワーを浴びに行き、上がるといつもの白のバスローブ姿でソファに陣取り、
缶のビールを飲み始めた…
ここにきて諒は言わずにはいられなかった。
「麻也さん、ビールはそれ一本にした方がいいと思うよ。
さっき、メシの時も多めに飲んだじゃない? 」
「また顏がむくんだりしても困るじゃん。」
すると「仕事第一」の麻也とは思えない言葉が…
「別に。俺の顏だし。」
「麻也さん…」
もう、この人の不眠とそれに潜むストレスは、どうすれば健康的に解決できるのか。
社長たちに言われた通り、家に帰っても仕事仲間がいて、気が休まらない状況がすべての悪循環の根源なのか。
諒はわからなくなってしまった。
「麻也さん…」
「明日顔がむくんで困るのはそっちなんじゃないの? 」
さすがに諒もイラっとして、好きにすれば、と言い捨てて、バスルームに向かった。
なに妬いてるの? なんてことは冗談めかしてでも今この王子様には言えない…
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