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第11章の46

 次の日の朝は…いつも以上に、ソファの上の麻也は起きられない。  むくみも二日酔いも、本当に麻也らしからぬもので、仕事熱心な本人が一番嫌だろうに、と諒は胸を痛めていた。  諒も何とかできないのか、という冷ややかな視線には耐えた。もっとも、気遣わしげな視線の方が多かったけれど… (プレッシャーに負けてる、なんて、あきれる気持ちなんてこれっぽっちもないのに…メンバーみんな責任は一緒なのに…)  麻也が痛々しくて、よっぽど対談をやめると、諒は言い出しそうになったが… 仕方なく、無言でふらふらしている麻也と一緒にその日の打ち合わせをこなしていた。  そしていよいよ…ベルネとの対談の時間が迫り、諒は三田のアトリエへ、 他のメンバーはレコーディングスタジオへと別れて出発した。  ベルネとのバランスを考え、諒は赤のスーツに赤のシャツをセレクト。  そして夕方…インタビュー場所のカフェに着くと、そこには柴田と… 黒のスーツに白のドレスシャツ、波打つ長い髪も美しいベルネが… 「ずっと会いたかった…」 と、ベルネに握手を求められ、諒は舞い上がってしまった。 (麻也さんごめんなさい…!!♪♪)

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