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第11章の47

 その様子を見た柴田が、 「あのさ、諒くん、ベルネがね、この対談の後、飲みに行きたいっていってるんだけど、どうかな? 」 「行きたいです! 」 と言ってから、一瞬レコーディングのことが頭をよぎったが… (でも今日はリズム録りだし…) 目の前のベルネも諒の答えに、嬉しそうに微笑んでいる。 すると柴田はこう続けた。 「それじゃさ、ファンとしての気持ちは飲みの席で炸裂させてもらうとしてさ、 インタビューではそれをおさえ目にやってもらえないかな…」 「大丈夫ですよぉ、俺だってプロなんだし…」 「いや、みんなそう言って撃沈していくんだよ…」  柴田の予言は的中した。  席について、ベルネに微笑まれると、もう諒は倒れ込みそうになってしまい…  確かに、麻也とは違ってかなり彫りの深い、西洋的な顔立ちのベルネの丸く大きな瞳に見つめられると…  もう、何から話したらいいのやら…  中学の時からあこがれていたこと、ライブにも何度も行ったこと、 大学のサークルでバンドを組んだ時は、あまりにもその影響かにあったこと… ベルネが煙草を吸っていなかったら、諒の話はかなりのマシンガントークになってしまったに違いなかった。

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