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第11章の55

 ところがベルネはすぐにぱっと手を離し、 「マズい。これ見つかるとムチ打ち10回なんだよね。 「ムチ打ち?! 」 清家以外の3人がびっくりして大声をあげると、ベルネは苦笑しながら、 「そう。地下室で、両手首を鎖でつながれて…」 「あの洋館に地下室があったのか? 」 「えっ、誰に? 」 柴田も直人も大騒ぎだ。諒もあわてて、 「えっ、でもさっき、彼氏さんはアーティストだから寛大だって…」 「えへ、ウソってバレた? 」 ベルネの人懐っこい笑顔に3人は胸を撫で下ろしたが、柴田は、 「でもベルネのとこならありそう。」 「うーん、まあ、俺は浮気はしないから、プレイの一環としてね。」 うそだよーん、と4人が爆笑するかたわらで、 「…ベルネさんになら、いいかも…」 とつぶやく清家に、みんなフリーズしたのだが。  それからは音楽談義で盛り上がったのだが、3人が諒たちに気をつかってくれて、 1次会でお開きになった。連絡先を交換して、お互いにライブに行くことを約束して別れた… 「…ディープな世界だった…ベルネさんの彼氏ってどんな仕事してるんだろ…」 「麻也さんそんなに悪いの? 」  諒は食いつくように直人に尋ねていた。

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