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第11章の61
「おしりもこるんだって。麻也さん、力抜いて、リラックスしててね。
おしりのこりは腰痛につながるっていうから…」
「ふ~ん、そうなんだぁ…は~、キモチいい~…」
麻也の嬉しそうな声を聞きながら、足の指も一本一本揉みほぐしていく。そして、ふくらはぎ、腿…
そこで、肝心なところのために、諒はサイドテーブルの引き出しから、いつもの潤滑油を取り出した。
すると麻也は振り返って不安げな表情になり、
「それ…使うの? どうして?… 」
その、あまりに不安げな表情には、かえって諒の方が心配になってしまったほどだった。
が、ここは何としても最後の仕上げまでしたい…のもあったが、
とにかく、麻也を安心させたくて、落ち着いて麻也の目を見て説明を始め…
「…中をマッサージするからだよ…」
「えーっ、何それ?! 中って…その…」
おびえたバンビのような、麻也の目の可愛らしさに諒は倒れ込みそうになる。
「男性も女性も、内部に大事なツボがあるんだって。そこまで揉まないと効果がないって。」
…自信満々で言ったが…社長の話が間違っていたら…ただのプレイになっちゃう…かも…?
諒はちょっと心配になったが、ここまで来たら引き返せない。そして麻也は、
「でも…やっぱり…」
と、ためらっている。
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